動悸・息切れの鍼灸治療

患者さんの症状

販売業 女性 42才 153㎝ 53㌔

今年の3月より一過性に胸がドキドキと動悸するようになり、病院に行くと軽い不整脈と診断された。

病院にて検査をしたが原因は不明であると診断された。

動悸は月に一回程度あったがしばらくすると治まる。

今年の6月に頻繁に動悸が出るようになった。

 

 

患者さんを問診すると

朝、昼間、夕方、夜、動悸の発生は決まっていない。

 

手が熱く、足はやや冷たい。足にむくみあり。

 

この患者さんは、以前不妊症の治療にて懐妊しがが、普段から手は熱く、足は温かかった。

普段の脈診は、食べ過ぎによる栄養分をため込んでいるタイプで、体内に湿熱が蓄積しているタイプで、いつも肝臓に主にして活動を起こしている。

肝臓を主に活動しているので、良く動き、活発で、頭の回転も速く、陽気である。

 

ここ三ヶ月は徐々に足が冷えてきていた事から、腎臓の働きが低下していることがわかる。

腎臓の働きが低下すると、熱を下半身に下げられずに、冷えてダルクなってしまい。上半身に熱が上って手が熱くなりのぼせてしまう。

故に心が亢進して動悸する。

 

 

脈診と治療経過

6/17 脈診は湿熱を表している。

過食によって、体内に余分な栄養分が蓄積して熱がこもっている状態である。

又腎臓の働きも低下している為に熱が心臓に上り動悸する。

治療後手の熱感は解消して足は温まり、不整脈も治まる。

過食が原因になっている為にポテトチップスやアイスを控えて粗食にするようにアドバイスする。

 

7/2 前回よりも動悸の頻度はかなり減った。足も温かい。

脈診すると腎臓の機能低下が出ている。喉も痛く風邪をひいた。

治療後は喉の痛みも取れて、腰痛、肩コリも解消した。

 

 

 

考察

動悸は東洋医学では心悸と言います。

この一過性の動悸の症状は、日頃の飲食過食による湿熱の状態に、日常生活で疲労し腎臓の働きの不調から、起こったものと考えられる。

腎臓の不調の原因は、日ごろの疲労が回復しない日々の繰り返しが原因となる。

 

 

また飲食の過食を抑えることで、動悸も軽減したことから、日頃の養生は必要だと自他共に確認できたので、今後は、症状も癒えていくと思います。

 

過食は将来脳卒中になる確率がきわめて高くなります。

今の内から、運動をして筋肉を増やし、食生活を改善し、ゆっくり食べたり、量を減らすことで脳卒中を防ぐことができると思います。

 

※筋肉量の低下は骨の密度の低下を招き、それは腎臓の働きの低下を招くのである。

腎臓の機能低下は老化を加速させるので、若い内からの筋肉保持はアンチエイジングにもつながるのです。

 

患は利なり

患うことで、自分の身体をよく知り、今後体調にあわせて食生活や仕事の調整ができるようになって大きな病を予防する事ができることでしょう。