脳卒中の後遺症の鍼灸治療

問診

患者 s・sさん

30才   男性  職業麻雀ショップ

176㎝  88㌔ 体格の良い大柄な人

       手足の温度共に温かい

       


既往歴

 

 

高校生の部活のとき、心臓が痛くて苦しくなり、立っているのもおっくになるほど辛く、カラダに力が入らない。

救急車にて病院に行って検査するも原因はわからなかった。

このような症状が何度かあったがここ4~5年は落ち着いている。

 

慢性的な肩こり、腰痛があり頻繁に頭痛する。

主訴

平成29年10月頭、朝起きたら右半身全体が痺れて力が入らなかった。

 

右の顔面、右腕、右足が力が入らずに救急車を呼ぶ。大学病院にて頸椎のMRIをとったが異常はなく原因不明だと診断された。

 


現状症状

発症してから、1日で顔面の痺れと、足のしびれは無くなった。

肩から指先までの力が入らず、しびれが続いていたが、友人の鍼灸治療にて痺れは緩和した。

現在は発症して4ヶ月以上経つが…

未だに右前腕~指先にかけて力が入らずに文字を書くのにも苦労している。


脈診による初見

 

H30年2/22

 

【血虚湿 心包虚】 気口脉大渋遅 

・労宮に補法

 

【気虚表寒の気口滑脉・人迎渋脈】の④に変化

・膀胱の井・栄・金門の瀉法 

 

【労倦湿の心包虚】に変化

・大腸経の井・栄の瀉法 兪穴の補法

 

【血虚湿 心包虚】に変化

・脾経の栄・兪穴の補法 ※人迎脈 平胃の気得る・気口大渋脈の為

 

【血虚湿 心包虚】

※気口・人迎共に胃の気を得る。患者さんに「手の力の入り具合はいかかですか?」と聞くと「あれっ左手よりも力が入ります」と言って早速ボールペンで紙に名前を書いてもらうと、「全然力が入りますなんで?」と不思議がっていました。

今日はここで治療を終了しました。 

 

考察と見解

この患者さんの所見は…

見た目の大柄な体格からもエネルギーを蓄積している【血虚】体質だと判断される。

 

【血虚体質】の方は、手足が温かい、又は熱く肩こり、腰痛に自覚症状が無いのが特徴である。

 

当患者は肩こり、腰痛の慢性疾患を自覚しているし、患部の『しびれ』『力が入らない』といったことから『傷風-ショウフウ-』が原因でカラダに不調・変調がでていると問診からは想像できる。

 

脈診でも『傷風』を治めているものだと診断できた。

 

傷風とは一般的なカゼ症状の『感冒』や脳卒中の『中風-チュウフウ-』の一種でその他にめまい・耳鳴り・顔面神経麻痺等がある。

これらの総称を『風邪-フウジャ-』と呼び

その病気の多様なことから

風邪は万病の元と言われるのです。

 

当患者も傷風の治療すると本人も嘘の様な回復に ただただビックリしていました。

 

多くの原因不明・診断不明とされている難治疾患も

風邪を治す、特別な鍼灸治療で

 

目の前の霧が晴れるが如く

 

回復することも多々にあります。

 

 

 

2月26日
前回の治療三日後に、しびれと腕のダルさが再発したようだ。

今回の脈診は【血虚湿熱】
本治方に風を加えることにした。
期門・章門・巨厥の瀉方
大腸の井・栄・㕁の瀉方
心包・脾の栄・兪の補方

治療後
患部の補法で腕に力が入るようになって、ダルさとシビレもなくなる

問診するとお小水が黄色く、匂いのある軟便をしていることから湿熱がカラダのこもっていると考えられる。

また仕事が忙しく眠気を抑えて作業をしていたらどんどん腕にシビレとダルさが出てきたことから、疲労は当症状を悪化させる要因と本人も理解出来た。

しばらくは味の濃い物、辛い物、を避けて仕事を無理なく時間を抑えるようアドバイスして本日の治療を終了した。

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池袋鍼灸ありがた院- 脈診・はり・灸・整体

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