高血圧の鍼灸治療

 

患者さんの症状

会社経営 男 42才 165㎝ 60㌔

去年の10月より一過性に高血圧になり、頭に血液が昇りクラクラする。

月に一回程度あったがしばらくすると治まる。

今年の5月に同じ症状で救急車に運ばれる。その時の血圧は200を超えていた。

それから週に一度血圧が上がるようになって。

6月に毎日、朝や仕事中に血圧が上がるようになった。

病院にて検査をしたが原因は不明であると診断された。

 

患者さんを問診すると

身体が寒くなり、手足が冷え切って温まらない。

下半身に力が入らない。

会話に集中すると血圧が上がる気がする。

ここ三ヶ月足が冷たい。

ここ3ヶ月で3㌔ほど太った。

 

この患者さんは、アトピーをもっていて、普段は手は熱く、足は温かかった。

普段の脈診は、食べ過ぎによる栄養分をため込んでいるタイプで、いつも肝臓に主にして活動を起こしている。

肝臓を主に活動しているので、良く動き、活発で、頭の回転も速く、陽気である。

 

ここ三ヶ月は徐々に足が冷えてきて、のぼせていた事から、腎臓の働きが低下していることがわかる。

腎臓の働きが低下すると、熱を下半身に下げられずに、冷えてダルクなってしまい。上半身に熱が上って手が熱くなりのぼせてしまう。

熱が上半身に上ると持病のアトピーの痒みも悪化して皮膚をかきむしる。

 

脈診と治療経過

6/28 やはり腎臓の働きが不調を起こしている脈であった。

治療後冷え切った手足は温まり、頭に血液が込み上げてクラクラする感じから解放された。

 

6/29 朝起きるとまた血圧が上がってクラクラするが、昨日のような寒気は無い。

手足に温かさが戻る。夜は眠れなかった。

脈診は気虚の肺虚であった。

 

6/30 夜は良く眠れ、今朝は少しクラクラしたが、体調が大分楽になった。

脈診も腎臓の不調から回復し、以前の肝虚に戻ってきた。

 

7/1 昨日は調子が良くお酒を飲んでしまった。その為に今朝はまた血圧がぐうーっと上がってきて身体が冷える症状がでてきた。

来院時脈診するとやはり腎虚であった。その後足のダルさが戻る。

 

7/2  翌朝の患者さんからのメールにて

過去最良です。朝、下半身やや冷えでしたが徐々に回復しました。11時頃、血圧137を記録しました。

 

考察

この一過性の高血圧の症状は、腎臓の働きの不調から、起こったものと考えられる。

腎臓の不調の原因は、日ごろの疲労が回復しない日々の繰り返しが原因となる。

患者が4ヶ月前に行った引っ越しや、新規の仕事の導入が原因ではなかろうか?

 

また回復の途中経過で、油断してお酒を飲むのは良くあることだが、大抵の患者さんは症状が戻ってしまう。

当患者さんにしっかり治るまでは、飲食の養生は必要だと自他共に確認できたので、今後は、症状も癒えていくと思います。

 

このことでわかるのは、当患者は将来脳卒中になる確率がきわめて高い事がわかります。

今の内から、運動をして筋肉を増やし、食生活を改善し、ゆっくり食べたり、量を減らすことで脳卒中を防ぐことができると思います。

 

※筋肉量の低下は骨の密度の低下を招き、それは腎臓の働きの低下を招くのである。

腎臓の機能低下は老化を加速させるので、若い内からの筋肉保持はアンチエイジングにもつながるのです。

 

患は利なり

患うことで、自分の身体をよく知り、今後体調にあわせて食生活や仕事の調整ができるようになって大きな病を予防する事ができることでしょう。

  

腎性の高血圧は

めまい、耳の閉塞感、胃が突き上がる感じ…
足の冷え、下半身に力が入らない、脱力感、のぼせる、首肩のコリ、頭痛などざまざまな症状が出ます。
病院に行くと必ず降圧剤を頂きます。
降圧剤は血管を常にを広げて血管が急に上がらないよう作用しますが、長く飲み続けたくはないものです。
治療と食生活の改善と運動で先ずは代謝を上げていき、薬離れを試みます。
また降圧剤の代わりに漢方薬に切り替えていくことも先々のことですが考慮されると良いでしょう。

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